こうして「同じブランド名がついているからといって、同じ程度によいものだとは限らない。品質を決める他の要素があるんだ」と、われわれだって学習する。(めんどくさいナ、他に知らなければいけないことがあるなんて・・・)
大きくなったぶん悩みがあるんだ
「売上げは増やしたいが、ブランドイメージは守りたい」
大きくなった企業が、第二ブランドや、マルチブランドを考えるのは、必然的なことである。こうして一つの企業がいくつものブランドをもち、いろいろなレベルの商品を出す。そのことがすぐ、消費者にもわかってしまう。そうすると、はたしてそんな企業名やブランドが「信用」の対象になるのか、ということになってしまう。ブランドといっても、その商品群を企画した時のコンセプトをネーミングしたものにすぎない。そこにどんな魂が入っているのか?
むかし、大きな企業は大きいということだけで尊敬されたが、今は違う。日立や東芝もツライわけだ。ソニーでさえ、「ソニーのオーディオ」から「それなら音がよさそう」とはイメージされない。
このように巨大化し稀薄化した企業ブランドの信用をどのように補完できるか?「コンセプトネーミング」は、もちろんこれからも有効な手段である。しかしこのように信用をつきつめて考えてみると、むしろ「個人名ブランディング」をやってみたい気がしてくる。
アメリカの「マーサ・スチュワート」、イギリスの「テレンス・コンラン」などが頭に浮かぶ。日本でなら「栗原はるみ」とか「山本容子」「パトリス・ジュリアン」、環境の「野口健」、自動車の「鈴木正文」なんかもいい。
これが従来のタレントマーケティングと違うのは、必ずしも「有名」に依存していないことだ。
「A社で○○を設計し、B社では××をつくった伝説の技術者○○××が、こんどは我が社で△△をつくった」というウラ情報がそのままコピーとなり、デザイナーや設計者の署名入りの製品を売る。そんな時代がもうすぐくる。こうして、ガンコ者こそが会社の宝になる。はずだヨ、ゼッタイ!
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