北海道工業大学

北海道工業大学 新生「北海道工業大学」のイメージ一新

北海道工業大学は、少子化のなか、学生数の漸減に危機感をいだいていた。依頼されたのはCIではなく、ただ単に「志望学生が増える大学パンフ」である。目標を聞いてみると、志望学生が「2~3倍に増えるものを」という。

2~3割増であれば、従来路線でがんばればよいかもしれないが、2~3倍となると、イメージを一新し、まったく違うやり方をしなければならない。

従来の「工業」イメージは、いわば「本田宗一郎のものづくり」である。
価値のあることだが、油くさい。
ここにこだわっていると女子が増えず、よほどレベルの高い学校でないと苦しい。この年代の若者が好きなのは、「モスバーガー」とか「ビームス」である。「環境保護」と「生活重視」を中心に、カジュアルなイメージに変えていく方が女子も増え、これまで専門学校に進学していた層まで取り込める。

また「北海道」というより、むしろ環境問題や人間性の尊重、通信技術などで先進的な「北欧」のイメージを実現すべくデザインを進めた。

ダイレクトメールを中心メディアとしてパンフレットは「再生紙に2色刷」ふうのシンプルなもの。カジュアルさと、ユーモラスなまじめさを感じさせるキャラクターを制作した。紙質とエンボスなどで「品質」を重視し、さらに学生向けDMには、環境保護シールなどをつけて、遊び心を取り入れている。いずれもきわめて商業的な、ブランド戦略の応用事例である。

大学という行政的なビジネスにあって、よくぞここまでクライアントが理解してくれたものと思うが、さすがに実行段階でゆりもどしが入り、けっきょく企画の半分くらいしか実現できなかった。

代理店:進研アド
企画/アートディレクション:松岡宏行(スイスイ)
デザイン:北原いずみ(スイスイ)
イラスト:高橋潤(スイスイ)