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松岡

あと今、10個わーっと質問して、毎回自分をテストしようって形式だけど。例えばね、顧客満足を測定するときに、サービスは10点満点中、何点ですか、とか店員さんの言葉遣いは、コーヒーの味は、と詳しくついやりがちなんだけれども、顧客満足を測る質問はたった一つでいい。「あなたはこの店にまた来たいですか」それだけでいい。
自分ブランディングで、本当は、たった一つの質問でドキッとするような質問を何か考えてみましょうか。

村尾 なるほど。小さな会社のブランド戦略に普段から着手してるとですね、一つ、マジッククエスチョンみたいのがあるとしたら、やっぱり「今日、応援するよって表明してくれた人が一人でも増えたかどうか」そういうのが、一つの、松岡さんが言ったことに近いような、僕の一つの基準ですね。
松岡 それはお店で言うとファンづくり、そういうものですか。
村尾 そうですね。地域とか業界とか、そこで、「うち、こういうお店目指してるんだけど」っていう風に、旗を立てたり、「この指止まれ」をするわけじゃないですか。
松岡 それが一人でも増えてたら、それは良い営業を日々しているってことですね。
村尾 そうですね。なので、「応援するよ」とかお金云々じゃなくて「支持するよ」って人が一人でも増えていったら、そのお店って加速度的に地域・業界においてキラリと光る存在になっていくんですね。これはもう、僕の今までのコンサルティングの現場の実体験ですごくよくわかることなんですよ。
それを、個人に置き換えるとどういうことかって言うと、「あなたは今日、あなたのファンを一人でも増やしましたか」ってことなんですね。つまり一日一人、あなたのファンを増やしていく、その活動を今日しましたか?ってのが最後のマジッククエスチョン、全部を総合した質問になると思います。

 その10
「あなたは今日、あなたのファンを一人でも増やしましたか?」

松岡 でも、これは厳しい質問で、ファンが増えた日なんて滅多にないよなあ。自分のファンが増えたと実感できる瞬間ってすごく少ないんで、俺この質問毎日したらNoの日がいっぱい続いて日記に書くことができなくなる(笑)。
村尾

でね、これを講演会で言うと「でも私は一日一人、誰か新しい人に会うわけじゃないし」とか、「私主婦なんで」って言う人、いるんですね。僕がその時に言うのが、「それは勿論、毎日人と会って、ファンになってもらう機会って、芸能人でもない限りなかなか無いと思います」、と。
でもあなたは、この後家の近くのコンビニに行きますよね。スーパーで買い物しますよね。そういうときに、レジでお金を払って商品を受け取る、このわずか30秒くらいの間、この時も、「あっ、この人感じ良いな、いつも来てくれて」っていう風にレジの人に思われたかどうか。

松岡 これはすごく、いいことだね。
村尾 何気なく一言、「寒いですねー、最近」とかって声掛けることなのかも知れないし、ネイルを褒めてあげることなのかも知れないし、もしくは別にそういうことは一切無くても、気持ちよく接してあげれば、相手も気持ちよく接してくれるんで。すごく幅広く見たら、コンビニの店員が自分のファンになってくれたって捉えても構わないと思うんですよ。
だから、一日一人ファンを増やしたっていうのが、語弊があるんだとしたら、「今日、一人にでも気持ちいい人間だと思われたかどうか」
松岡 いいね、うん。
村尾 そこを積み重ねていくと、一年で365、増えるわけじゃないですか。もしくはブログのアクセス数も増えたかどうか。もし一日一人がキツかったら、僕は一週間に一人でもいいと構わないと思います。
松岡 でも年に50人増えるもんね。で10年やって500人て素晴らしい財産だよね。
村尾 それは、ふつうの社会人にとってはすごいことだと思いますね。
松岡 すごい、それはすごい。
村尾 逆にそれができたら何でもできると思います。
松岡 500人自分の支援者がいるって、すごい人ですよ。
村尾 何でもできますよ。その後起業しようが何だろうが。
松岡 俺そんなにいないな。あの人俺の親友だって言える人…すごい微妙になってきたな(笑)。俺は親友だと思ってるけど、あの人はそう思ってるかな、とか。
村尾 でも、まあ一週間に一人でもいいし、一日一人でも良いですけど、具体的な数値目標があって、毎日それを意識しながら働くかどうか。
松岡 すごい具体的だ。それで、反省させられる。やっぱりツイッターでも、素敵なことつぶやいたほうがいいんだよね、政治の悪口言うより。
村尾 で、そういうのを、その質問に基づいて、Yesって答えられるように、もしくは、その質問にいい答えが答えられるように、日々、自分はどうしていけばいいのかなっていうのは、またルール化していくべきことじゃないですか。
松岡 その方法論を自分なりにつくる、これはもうそれぞれで考えると。

 村尾隆介さんのクレド

村尾 最終的には自分のルール化にして、ひとつのカードにまとめてもらいたいなあっていう風に思うんですね。
使い込まれて年季の入った村尾さんの「クレド」
松岡 なるほどね。
村尾 例えば僕だったら、こういうカードがあるんですね。(クレドを取り出す)家の一歩外に出たら、自分はどう振る舞うべきか、っていうのが僕の場合は全部で1,2,3,4,5,6,7,8かな…
松岡 クレドがボロっちいほうがいいって、本に書いてあった。
村尾 そう、これ汚いから皆、触りたがらないんですけど(笑)。僕の場合だったら、やっぱり、「家の一歩外に出たらこういう風に振る舞っていこう」っていう風に書いてます。 2番目だったら、「求められているのは、パッションと創造力。絶対に疲れた、面白くないは口にしない」って書いてありますけど。
で、実際これ、持ち始めて8年、9年くらい、疲れたって公共の場で言ったことないんですよ。それを聞いたことある人って一人もいないです。
松岡 これもレコーディングと同じで、書くことで意識化するっていうか、外部化することなんですね。
村尾 カード化して携帯することによって、カフェで人を待ってるときとか、電車で移動中のときとかも、取り出すんですよね。最近できてるなあとか、ちょっとこれ、できてないなあとか。
松岡 ちょっとこれ近くで読ませて。小さくて読めない、老眼で。
村尾 (笑)
松岡

体のナントカは心のナントカって書いてある。ハリ?

村尾 (笑)読みましょう。本当にボロボロで、汚くなってきているからね、文字が小さいだけじゃなくて、見えにくくなっているんですけれど、「体のハリは、心のハリ。健康、食事、ボディシェイプには、細心のケアを」って書いてあります。
松岡 そんなこと言ってたら、自分が腹出てたらダメですね。
村尾 そうですね。だからこそ、いろんなトレーニングプログラムを組んだり、スポーツの大会に出たりしていけたらと思います。
松岡 「求められているのはパッションと創造力。絶対、疲れた、面白くないは口にしない」
村尾 そうですね。僕も、リポビタンは毎日のように飲みますよ。でも人前で飲んだ事はないですね。
松岡 こっそり飲む?
村尾 こっそり飲む。なぜかっていうと、僕が、「疲れたー」とか、「最近忙しくてさー」って皆の前で飲んでたら…。
松岡 さっきの、「求められる役割を今日果たしたか?」ってその、安定感の話じゃないですか。村尾さんが疲れたとか、しょんぼりしてたり、女にフラれたとか言ってると、サエないんだよね。せっかく村尾さんに会って元気をもらおうとしてるのにね。
村尾 ね、なんで、僕は、それをホンダを辞めて独立したときに分かったんで、だからと言って誰かが僕のブランド作ってくれる訳じゃないんで、自分のブランド管理をやっていこうと決めてですね。で、頑なに守ってるんですよ、過去、10年近く。
松岡 それは素晴らしい。あと、3つ目がすごい難しいことが書いてある。「相手が誰であろうと、最高の気配りとマナーを実践するのが、ソーシャル・アントレプレナー」これは要するに、失礼な奴に対しても、自分は礼儀を尽くすって意味じゃないですか。
村尾 そうですね。
松岡 でも、失礼な人には失礼に対応したいものですよね。
村尾 最近になって、この年になって思うようになって。この間も、本当だったらキレてもいい場面もあったんですけど、僕は敢えてキレなかったです。
松岡 これ、実践できますか?
村尾 ここに書いてあることは、ほぼ、実践できてると思うんで。
松岡 すごいなー。
村尾 今でこそ、ソーシャル・アントレプレナーって言葉は、社会起業家って言って、毎日交わされる言葉になりましたけど、僕は10年くらい前からそこを意識してやってたんで。やっぱり自分が社会派である、社会的な問題を解決しようとして起業していると思われたかったし。
でも、そういう人が、例えば学生とかに会ったときも、上から目線で「社会人疲れるよー」じゃなくて、相手が学生であろうが、どんな立場の人であろうが、必ず平等に接しようと。
松岡 なるほど。
村尾

それがエライ政治家であろうが、何であろうが平等に接しようと。ここのスタッフなんか見てても、できてると思いますけど、ほぼ100%、誰に対しても同じ接し方をしてますね。

松岡 ふつうは、相手を見て態度を変えるけど、それをしないっていう心がけだね。
村尾 そうですね。
松岡 あと、これは…4つ目も面白い。「値下げは自分の価値を下げる。自分の価値は毎日自分で上げろ」
村尾 ちょっとグロいですけどね(笑)。
松岡 いやあ、これも大事だね。これは僕も全部わかります。「やったもん勝ちで歩んできた人生だから、これからもそのスピリッツで突き進め」もう、やったもん勝ちだと。
村尾 そうですね。スピードで、とにかくもうアホなアイデアでも何でも。
松岡 これは、もう、村尾さん見ててだいたい分かります。
村尾 とくに今は、幸いにもそういうことができる立場にいますから、もう、いいじゃん、怒られるまでやろう、というスタンスでやってますね。
松岡 「ファッションも期待されてるのだから、その場でもっとも目立つ服装で登場する」
村尾 そうですね、これもさっきの服装に通ずるものだと思いますけれど、そういうところでも、多少なりとも期待されているところもあると思うんで、そこをおろそかにせず、しっかり自己投資して、いい出で立ちで。
松岡 これは何ですか。「究極のライフスタイルと政治家に通じることを優先する」
村尾 そうですね、僕はもともと、政治の舞台で仕事をするのが夢で。
松岡 じゃ、社会的に影響を与えたいっていう思いがあってのことで、だからソーシャル・アントレプレナーって言葉が入ってるわけ?
村尾 おちゃらけて、かるーくやっているような感じはしますけど、色んな社会問題も考えてるんですね。もともと僕、ビジネスの人間では全くなかったんです。学生の時も、勉強したのはぜんぜん違うことだったし、その後、普通に政治関係の仕事に就いて、選挙にでて、ずっと政治で行くもんだと思ってたんですよ。
で、たまたまホンダ本社から声がかかって。で、まったく予定してなかったんだけど、ビジネスの世界に足を入れて、やってみたら、意外と面白いじゃんってなって、で、辞めて自分でやってみたらどうなるのかなあと思って、今に至ったりするんで。僕にとっては、大いなる寄り道だったりするんですね。
でもいずれは、政治に戻りたいっていう風に思っているので。仕事を選ぶときもそれに通じるっていうのを前提に、仕事を選んでますね。
松岡 なるほど。最後は、「成功を一番喜んでもらいたい両親のために、とにかくスピード重視でどんどん大きな仕事を残す」
村尾 そうですね。自分が、何か成功したり、社会でそれなりに活躍するのも、結局誰のためかと考えたときに、両親を喜ばせたい。息子が活躍しているのを見て、「良かったなあアイツ生んでおいて」、って思われるのが、僕が目指したい姿なのかなと思っているので、必ず、仕事を選ぶ時も、これやったら、家族は喜ぶのかなあっていう風に考えて、そこと成功を分かち合えたらとてもいいなあと意識してますね。
過去、10年の間、徹底してやってきて、最近になって、出版社がクレドの存在を知って下さって、この『マイ・クレド』っていう本を書いたんですけれど。クレドっていうのは、会社のチームづくりのために使っても、自分のブランドづくりのために使うってことは、あんまり無かったんで。
松岡 京セラの社員はね、「京セラ手帳」ってのを持っていて、京セラのスピリッツが書いてあるんですよ、稲盛さんの。それを、毎回の朝礼で読んでるの。まあ、聖書の輪読会みたいなもんなんですけど、それが会社に役立っているんだけど、それを自分自身でやるってことか。これ、スタバでコーヒー飲みながら、コレ今日できてるかなー、できてないことばっかりで、立派なことばかり書きすぎて恥ずかしいなあと、俺なら毎日汗かきそうだ(笑)。
村尾 (笑)
松岡 だってさ、これ…レベル高いですよ。レベルの高いこと書かないと意味がないし、そうかといって、やってることに照らして、自分が恥ずかしいと思ってるから(笑)、これは俺できるかすごく悩ましい。汗かきそう。
村尾 でも、これを作ったことが別に偉いわけでも何でもなくて、何度も見返して、確認するっていうのを、僕は一週間に一回は、どっかの機会でやってると思うんで。だから、使いこなすっていうのか、だからこそ、ボロボロになるように、ラミネート加工しないで、紙のままってことをよく言っているんですけれど。ここまで歴史を感じると、おー使ってんだなコイツは!って思うじゃないですか。
松岡 だからラミネート加工不可って書いてあるんですね。
村尾 そうですね。
松岡 今日は、会社のブランディングから個人のブランディングまでね。非常にいい話になり、ありがとうございました。
村尾 いやいや、「こんな話で本当にいいのかなあ」、「使えるかなあ」と思って心配しながら話してましたけれど。本当にありがとうございます。こんな貴重な機会を。
松岡 俺もね、もっと自分のブランディング…俺の場合はね、自分の中の下心とどういう風に付き合っていくかっていう(笑)。

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  ■自分をブランド化する「10の質問」をPDF(1P)にまとめたものです。プリントして自分をブランディングしてみよう!→10の質問PDF

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